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ウイルス感染とは

感染症

感染は、ウイルスや菌による伝染である。
ウイルスが体に侵入し潜入して細胞に付着し、ウイルスを増殖させる。侵入は体の中に入る。
これは精神分析のメタ言語では体内化という。

体内化の最大のテーマは一体化から同化すること、即ち非我との融合、自我の死を意味するメタ言語である。
食は体内で消化されて吸収され、その素材は肉体に融合してしまう。
この融合感は人間にとって、母の胎内にいた状況そのものと同一である。



この状況を人間は、至福の状態とその細胞に刻み込んだのである。
60兆個の細胞に刻まれたこの文字は、その至福の時を求めて無機物になるまで、即ち死の瞬間になるまで、求め続けて生きているのである。

人間にとって生きるとは、仕合せになることではなく融合することである。
換言すれば体内回帰することである。その至福の時を求めて生きているのである。

しかしその至福の時は 、出産により体外に放出されたときから、永遠に手に入らない至福の場所となってしまった。我々が最後に収まる場所は母の子宮ではなく棺桶である。何と虚しく哀しいではないか。



せめてそのときが来るまで、まがい物とはいえ融合に一歩でも近づけるなら、人は何でも摂り入れてしまう。
それがウイルスであろうと、麻薬であろうと、至福の時を夢見させてくれるものを求めて生きていくのである。

感染症はわたしからあなたにウイルスを伝染させているのである。

伝えたい事が伝わらない、即ち言葉にできない思いをウイルスに込めて他者に伝えている。これが感染症の構造である。

言葉にできない人が言葉で理解できない人への伝達手段、それが感染・伝染、ウイルスである。

伝えたい事があるにも拘らずそれが伝わらない、それを言葉にできないもどかしさが、ウイルスとなって他者に伝えられているのである。言葉で理解できる人、言葉で伝えられる人はウイルスと全く無縁である。


シンガーソングライターの小田和正氏の『彼方』という歌の一節に

「…この場所、時をえらんで生まれてきたこの命は…まわりのすべてのことを幸せで包んでゆく…生きてゆくそのわけさえも この命は伝えようとしている」とある。

小田和正氏は人間の真理を、言葉とメロディーで伝えているのである。
まるで伝道師のように。
(『病気は心がつくる』より一部抜粋)


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