「現実を生きたい人へ」 格言-166

『現実を在りのままに見ている事など、人間には到底有り得ない。現実を通して自分の想いを見て、それに一喜一憂している。何と愚かな』
知覚としての眼は、カメラのように中立に在りのままをみているのではない。
確かに網膜には逆さまの映像がデジタルカメラのように正確に写しとられているが、人はそのデータをそのまま受け取るのではなく、自分の見たいように加工(レタッチ)して別物に仕立て上げ、その情報を脳に送り、現実をそれと認識する。
加工が施された現実は、偽装され捻じ曲げられて、誤った認知に変装してしまう。真実などは何処にもない。
この世は、人間の脳の中で、全く別な世界に仕立て上げられている。互いの認識した世界を語り合った処で、それはすべて幻想で誤解である。