あんな風になりたくない! なのに真似てしまうのはなぜ?
例えば、
身近なところで、父が自分勝手で暴力的でかつ感情的で気ままな行動をしていたら、「あんな風になりたくない!」とか、
母がいつもヒステリックで神経質で感情的だったら「あんなふうに絶対ならない」と、心に決めてませんか。
それなのに無意識に真似てしまってる自分に、ハッとしたこともあるのではないでしょうか。
「あんな風になりたくない」は、否定から始まっています。否定することにより防衛している、反動形成から生まれた言語です。そのため、結局全く同じなのです。したがって、自分の周りにそんな人が知らない間に集まってきます。残念ながら、“類は類を呼ぶ“ということになります。
ここでは「あんな風になりたくない」と思う心の原因と構造を説き明かし、どのようにすれば「なりたい私」「理想の自分」になれるかをご紹介します。
目次
あんな風になりたくない!心理と原因
人は行動の因に、性格を構造化します。(そもそも最初から性格は無く、行動パターン、思考の癖を性格と言っています)。それはすべて自己防衛しなければならないという、セルフイメージの他者への防衛として構成されます。それを性格と呼んでいます。
その性格に対して、あんな風になりたくないと言っています。
【例】
母はヒステリック・神経質・感情的と、娘は規定しました。それを娘は嫌っています、否、憎んでさえいます。
対社会の中で母を否定して、その母と自分が全く似ていない、1ミリも同じ所が無い自分の証明として、正反対の性格行動をとります。構造は表と裏、二項対立してます。
その結果、社会では穏やかでおおらか、冷静でクールな行動をしています。
①強い否定の結果、二面性を持ったAさんの場合
しかし、Aさんは家に帰ると、母そのものになっていました。この二面性にAさんは気づかず、解離した自己が引き裂かれ体験をもたらし、矛盾の中で自己破壊へと向かいます。
それほど強く母を否定していました。
その強さは関心の強さでもあり、母に惹きつけられ母と同一化し、母の行動を家で見せてしまいます。その結果、母を否定した以上に自分を否定し、自己破壊へと向かうのです。
②部分否定でなく全否定したBさんの場合
Bさんは、母のヒステリックで神経質、衝動的感情表現を否定し「冷静でクール」という言語を摂り容れました。
が、しかし、母のヒステリックな怒りの感情だけでなく、楽しい、嬉しい、悲しい、辛い、苦しいなどというあらゆる感情を抑圧しました。すべての感情を殺し全否定して、母と正反対の私を構成し、何も感じない心で防衛しました。
先ほども話したように、表裏一体、表と裏の為、否定した自分を露わに表現する人が現れて、刺激します。冷静でクールに振る舞おうとしても、感情が飛び出てきます。だから嫌いな人は遠ざけたい、だけど追い払っても追い払っても次から次と現れます。なぜならその人は否定した自分だからです。
そして、防衛しきれなくなり、母の性格を真似た性格が表出します。
あんな風になりたくないと思う原因<性格は自己防衛のパラダイム>
性格は自己防衛のパラダイムでしかないのです。
それも親を否定した性格が自己に伝わっていることの証明として、行動化の要因を構成したものです。自分で構成したものではないということです。
母を全面否定した娘は「一滴たりとも母の血は自分に流してはいけない!」と。そのために母のように振る舞ってはならない。他者に、母の血が流れていることを気づかれては絶対いけないと強く心に決めます。
母を知らない他者にも拘らず、娘は必死に防衛しています。
しかし、母を否定し反動形成によりつくられた私のため、否定した私が無意識の中に存在しています。その否定した私が他者の姿となって現れ、防衛は破綻してしまいます。
これが「あんな風になりたくない」の全貌です。
理想の自分になるために
否定からではなく肯定から創る!
そもそも「好き・嫌い」という言語は、二項対立の言語です。嫌いな自分を承認していないため対立します。
理想の自分になるには、嫌いな自分は否定しないで受け容れる、するとそれも私だと統合できます。好きな自分がいる、嫌いな自分がいるその両方が私。そのとき初めて、親の呪縛から離れることができます。
すると「〇〇になりたい私」という言語が生まれます。
自分で自分の好きな私を創造する、その一つ一つの思考が性格を構成します。
人は持って生まれた性格は無く、すべて親によって事後的に構成されたものを性格と言っています。私の物は何も無かった、だから人は理想の自分にも、何にでもなれるのです。
【理想の自分になる方法】
1.「あんな風になりたくない」の数々を紙に書き連ねる。
例えば、
ヒステリー
神経質
感情的
…
2.書き連ねた言語を、「これは私です」と受け容れる。意識領域に揚げる。
「これは私です」と受け容れなければ、「3.なりたい私の肯定言語に書き換える」ことは不可能になります。
否定言語を否定することにより、肯定言語が生まれます。(「これは私です」と受容しているので反動形成とは異なります)
3.なりたい私の肯定言語に書き換える
例えば、
怒りの感情はOK!
豊かな感情
愛の感情
穏やか
おおらか
…
言語は自由に、自分の理想の言語を選択できます。
このように一つ一つ、「あんなふうになりたくない」の裏にある否定した私を、そういう部分もあるなと受け容れ、理想の肯定言語に書き換えていきます。
すると、なりたい私、私が愛せる私、理想の自分に、一歩ずつ近づいていくことができます。
まとめ
周囲に「あんな風になりたくない」という人が現れたら、理想の私になれる絶好のチャンス!
自分が知らない私を教えに来てくれた人、と考えたら、毎日HAPPYに過ごせるのではないでしょうか。
そして理想の私になれたら、もっとHAPPY!
自分を愛し、自分らしく生きたいですね。
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