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「不安な人へ」 格言-46

『音もなく、気配もなく、何の前触れもなく、背後にいつも影の様につきまとい、ふと顔を出す無垢な把え難き蜻蛉の陽炎こそ、不安の正体である。


精神科学では、不安の定義は「対象なき恐れ」という。それに対して恐怖は「対象への恐れ」という。

不安は雲のような、霧の中に浮かぶ黒いシルエットの様な、定めがたき対象への恐れである。それは対象と呼べないほど茫洋として、形のない何かを感じている情態で、そこから離れられない金縛りの心を言う。

そこから脱出するためには、現実界にある具体的対象に向け変えることである。所謂現実と向き合うことで、不安から逃れることができる。

不安に把われるとは、現実逃避をしている危険への、無意識からの警告なのである。

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