「優しい人になりたい人へ」 格言-175

『他者への憫れみや優しさを施せる人は、人間愛によるものではなく、自分は絶対その立場にならないという確信からくる安心観からである』
社会や人間関係の様々の場で生きている人間は、各々の立場や関係において、対人の上下や力関係は決まり、その役割と機能において、社会的立場が与えられ、その中でしか自分を表現できない。
人は立場と能力に於いてしか、社会の中で生きられない。人間を人間たらしめているのは社会が規定した資格であり、謄録である。
社会保障制度は法によって規定された弱者である限り、保障される。法が定めなくとも、人は自らを法の主として決めてしまうことができる。それが倫理・道徳・宗教という法である。貧しき者を助けるのは富める者の務めである。
その法の力と、自らの富への「信」とそれが社会の求めるものである限り、人は、個人を超えて、他者に施せるのである。