《 回生 》徒然草-169

安全にそして安心してすごせる地球は、戦争をしていようと、平和であろうと、もうそんな地球は無い。無くなったし取り戻せないのである。こども達に未来を語れる大人は存在しなくなった今、それでも生まれ来る子達に、何を語ってあげられるのだろう。

科学が勝利して温暖化を止め、CO2を回収し、いつか必ず平均気温が1.5℃を下回る日が来る、と言ってあがられるのだろうか。未だに化石燃料を使い続けてCO2を排出している限り、そんな話は夢物語だと誰もが判るほど、世界の情勢は全く変わっていない。変える気もなさそうだ。
こんな世界を選んだのは人類である。動物は何もしていない。唯、与えられた環境に適応して生存し続けているだけだ。温暖化も氷河期も終えて生き延びて来た。それは、自然に手を加えず、在りのままの自然の中で生きて来た。
進化はしなかったが、生き延びて来た。文明や科学、道具や産業はつくらなかったが、種は存続している。自然を一片も壊すことなく、そのままの中で生きて来た。

しかし人間は自然と共に生きて来たのではなく、自然を加工したり、作り変えたり、破壊したりしながら、環境に手を加え、勝手に作り変えて、現在の都市文明を形成した。そしてその結果、地球が壊れた。
生まれ来る子供達に何を伝えたらいいのだろう。悪い見本として、反面教師として、二度と同じ誤ちを繰り返さないように、と言えばいいのだろうか。しかし、その人類の反省を教訓にして、回生する時間が残されているだろうか。