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ブログ  精神分析家の徒然草 

《 Last Run 》徒然草-162

良くも悪くもその日は来るものである。三年振りに電車に乗り、降り立った駅は既に人の波でごった返していた。2025年7月9日午後5時過ぎの「新都心駅」通路の風景である。

お目当ては小田和正『みんなで自己ベスト!!』コンサートツアーを観に、そして聴きに来たファン達である。顔ぶれはほとんど高齢者達である。何せコンサートの主役が齢78を迎えようとしているのだから、昔からの追っかけファンが連れ立って来ている、友達や親子で。私も例外ではなく、子と共に親子二世代でファンである。



開演1時間前に入場し、席に座り、じっと開演を待った。遂にその時が来た。opening曲を予想した。きっと自分を励ますように明るい曲から始まると思い「キラキラ」と言った。ところが、始まりは「東京ラブストーリー」だった。そう来たかと思った。彼は、この曲から総てが始まったのだと、観客に伝えたかったのだ。そして、Finalを迎えたのだ。

ツアーは5月1日にスタートして、横浜アリーナの10月1日まで、まだ三ヶ月近く続く。スタートから14ヶ所28公演を行う。その体力は、ジムに通いながら鍛えている体とはいえ、凄い気力と意志に依るものである。

待っているファン、支えてくれているスタッフやバンドの面々がいることを考慮しても、単なる責任感だけでは持続できる精神ではない。きっと彼なりに強い使命感を持ってのことであろう。いつも彼は言う「皆の笑顔に会いに行く」と。きっとファンの声援と眼差しが彼が唄う原動力になっているのだ。



ブルーサイトで照らされた客席の中につくられた花道を走ること、2~3度だった。数年前は走りまくっていた。東京ドームでは自転車で走り、こけるケガまでしている。足を引きずりながらステージを歩き「走らなくていい」と声援をうけながら、ステージを全うした。

そんな日々は、走馬燈のように、10台以上揚げられたモニター画面に重なり、私には彼の花道をゆっくり走り、ファンの中に駆け寄っていくLast Runをしっかりと目に焼きつけた。

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