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ブログ  精神分析家の徒然草 

《 夕陽 》徒然草-154

辺りを初冬の凛冽な澄んだ空気の下、秩父連峰や妙義や浅間の山々の向こう側に落ちて行く夕陽は、何もない田んぼを赤く染めていく。次第にその赤を濃くして、そして紫色になって、終いには灰色に色を変えながら黒い帳を降ろして、夜が訪れる。一日が終わった。

こんな日々を繰り返していた子供時代の心像風景がこれから先を生きていく、私の自然と地球の姿である。



もう現実には、こんな穏やかでノスタルジックな風景を見ることはないだろう。それは、遂に恐れていた世界の平均気温が1.5℃を越えてしまったからである。それは二十数年後のことかと予想していたが、今来てしまった。2025年1月11日(土)の新聞が「世界気温昨年1.6度上昇」の見出しで明らかにした。欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)の発表である。

事実、地球の温暖化は、永久凍土が融けてグリーンランドは水浸しに、北極の白クマはその地に上陸し、アデリーペンギンも雨で子は育たず、南極の氷も後数十年で全部融けて、水位60m上げると予測されている。更に弱り目に祟り目なのは、融けた氷の中に閉じ込められていたメタン菌がガスとなってCO2の30倍の温室効果をもたらすといわれている。



もう手の施しようのない、救いようのない状況に襲われているのが、今の地球の現状なのである。

私の見ている今は、かつて子供時代にみていたあの自然のままの自然な地球ではない。安心と安穏と漫然とすごせる星ではなくなってしまったのだ。

人が生きるとは、当たり前で大前提だったこの土地が崩れ始めた。どこに絶対とか永遠とか不動のものを見い出したらいいのだろう。我々人類は生きていく指標を失った。いや、何もかも失ったのかもしれない。

唯今出来ることは、今を生き、今すべきことをし、今言うべきことを言うしかない。そして無垢な時代の心像風景を再生しながら生きていこう。

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