徒然草-読者感想
【50代 女性 2024.1.11】
一度読み終えてから、また読み返そうとふいに開いたページが百二葉「玉子かけごはん」だった。田舎で生まれ育った私は文章に一体化し、感慨深い気持ちで読み進めていくと「矻矻と自分のなすべき事をする」という、先生がこれまで何度となく言われている言葉が目に飛び込んできた。短期集中型で「矻矻」とは無縁の人生を歩んできた私にとって「矻矻」は簡単なようで難しい事。「令和の徒然草」は多忙な中で執筆されていた先生の「矻矻」があったから、私たちは本を手に取り読ませていただける。「令和の徒然草」を通して「矻矻」はどういう事なのかを教えられた思いである。また、本をじっくり読んでみると「各章」に人生のエッセンスが凝縮されていて、人生をより良く生きるための心の柱を指し示してくれているようにも感じた。
【40代 女性 2023.12.27】
令和の徒然草を読んで
令和の徒然草を購入した一週間後のセラピールームで、先生を前にして私は「生還しました」と報告していました。この言葉を言おうと用意していた訳ではなく、言った自分でも驚いていました。
病気が発覚し手術をしてから、薬の副作用もあってか精神が不安定になり、人との関わりを避けてきました。辛うじてセラピーだけは続けてきましたが、ずっと気分は鬱々としていました。
令和の徒然草を読んで、いろいろな気づきがあり、鬱々とした気持ちがなくなりました。言葉が、文字が、心を救うのだと知りました。
【50代 女性 2023.12.21】
《唯一無二》徒然草-118を読んで
徒然草-118で再現できない唯一無二の味のことが書いてあった。
私にとって唯一無二の味とは、父のお好み焼きである。実家に帰った時、ひとりで留守番をしていた父が私に作ってくれたのだが、これが今でも忘れられない程美味しくなかったのだ。
ある時、あの父のお好み焼きを再現しようと試みた。お好み焼きは、小麦粉と卵、出汁、キャベツ、豚肉や海鮮、天かす、紅ショウガ、山芋などを入れて作る。これらの食材を徐々に減らして作っていった。最終的に小麦粉と水、キャベツ、豚肉という極めてシンプルな食材で作ったのだが、それなりに美味しく食せてしまった。
父はどうやってお好み焼きを作ったのだろうか。今でも謎である。
【70代 女性 2023.12.16 】
令和の徒然草を読み終えて
何故だろうか、懐かしい気持ちになった。
書き手の超個人的な記憶や思い出・感慨・情景なのに、まるで、私自身もそこにいたような錯覚を覚えた。
私にも生まれ育ったところはあるが、故郷とは呼べるものにならずだったが、でもそんなことも関係なく、ただただなつかしく思った、感じた。
これを書いた心情・心のままにつづられた文章は、水の流れるように、身心に広がってゆく、浄められていく、音楽のように、優しく母に抱かれるような気さえした。
この本が私の故郷になりました。
(その時、なぜ、懐かしいと思ったのか、考えてみたけど結局よくわからなかった)
【50代 男性 2023.12.8 】
本作品は、精神分析の分野に携わる著者の「ある日」を描いた好エッセイ集である。
著者も述べている通り精神分析の分野が日本の社会で認知されてまだ時が浅い。著者はその先駆けとして今まで活躍されてきたが、そのような人だと、どちらかというと理系の「とんがった人」というイメージを描く人もいるかもしれない。
しかし、現実には、著者は豊かな粋人であり、心のケアを行う人はこんなに文化的に豊かな人物なのだということがわかるだけでも、この作品を上梓する意義があると言えるだろう』
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