「欲望のままに生きたい人へ」 格言-53
『欲望は抑圧の制御の、心の敵ではなく、主体を王とした従臣である。
己を守り、己を育て、己を享楽させる守護神である』
欲望は自我にとっては主人であり、超自我にとっては監視の対象である危険な存在である。人は法と秩序に四六時中見張られて、戦戦恐恐として生きている。
自我はいつも罪人の汚名をきせられてしまう、理不尽な立場である。単なる主体の手先でしかないのに。そもそも欲望が悪人にさせられてしまったのは、欲求と欲望の違いの認識不足と誤謬による。
欲望は人間を人間たらしめる元素なのである。