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依存症

 

依存には健康な依存と、病的な依存があります。
過剰な依存を、依存症といいます。

しかし、全く依存できないのも健康な心とはいえません。
どうして適切な依存で終わらず、過剰へと突っ走ってしまうのか。

どうしてその依存対象(アルコール・薬物・たばこ・ギャンブル・買い物・ゲーム・ネット・性行動・仕事など)に惹かれるのか。

どうしたらやめられるのか。

依存対象は、本当の満足をもたらしません。依存症はとても苦しいものですね。苦しくても快の報酬に抗えずに、繰り返してしまいます。

テーマ別講座にて3月から『依存症』について3回に分けてお話しします。

⇨ テーマ別講座「依存症」

目次

依存症

「依存症とは」

アルコールや薬物などの特定物質やギャンブルなどの誘惑に心を奪われ、過剰に依存し、それをやめたいと思っても、それがやめられない状態を依存症といいます。
・体調を崩す
・社会生活に支障をきたす
・お金を使い過ぎる
などの問題が起きているにも関わらず、それをやめられないのも依存症に共通することです。

依存対象のことで頭がいっぱいになり、それ以外のことを考えたり行ったりする時間が減って、社会生活に支障をきたすようになってしまいます。

「精神分析的には」
対象に対して、信頼でも委任でもない。そこに自分の存在の根拠を置いている、自分の存在がそのまま置き換えられ吞み込まれて、意味づけられているのが依存症です。

依存は、0歳〜3歳の時期に甘えられなかった母への退行として、子供時代の再現・反復として行われます。
その時代、甘えと依存によって母子の間で信頼がつくられなかったため、どれだけ依存を行っても心は満足することなく、本来とどまるはずの快は、消え去っていくのです。
また、本当に欲しいものでないため、どれだけ依存しても一時しのぎとなり、繰り返してしまうのです。欲しい! 欲しい! ばかりの心となっている状態です。
心が未成熟なために、自分は許されるだろう、自分は特別だ、などと思っています。その心がまた依存へと向かわせてしまいます。

「セラピーとは」
その時代に何が不足していたのか、根本を明確にし、止められない衝動に対処し、心を改善していくことがセラピーです。

依存の対象と、依存の効果と特徴

「依存の対象」
依存の対象には、以下のものがあります。

◎物質
アルコール・たばこ・薬物(※)など
※覚せい剤や大麻などの違法薬物だけではなく、医師から処方された抗不安薬や睡眠薬や鎮痛剤の中にも、依存を起こしやすい薬があります。

◎行動
ギャンブル・買い物・インターネット・ゲーム・性行動など。

アルコールなどいつでもどこでも手軽に入手しやすいものや、インターネットやゲームなどいつでもどこでも手軽に出来るものは、依存の対象に成りやすいものです。

「効果と特徴」
依存物質の使用・摂取や特定の行為をすることにより、苦痛や不安を感じなくなったり、多幸感や快感がもたらされます。

例えば、
「お酒を飲んだら嫌なことを忘れられ、楽しい気分になった」
「薬を飲んだらぐっすり眠れた」
「ギャンブルによって日常では味わえない高揚感が味わえた」
など、同じ行為を繰り返すことによってその効果に慣れてしまい、以前と同じ量や回数では満足できなくなり、より強い刺激を求めるようになります。
また、摂取や行動をやめたり減らしたりすると離脱症状が起き、量や回数をコントロールすることが難しくなります。


【関連コラム】
⇨ アルコール依存症

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