《詩人》徒然草-81

私が目指した小川のせせらぎと木々のざわめき、小鳥の鳴き声、風の音、木々の香りと自然の草花の四季の変化のシンフォニーこそ、私が求めた詩が生まれる場所なのである。そこに触れ続けて二十二年間。漸く詩の泉に触れた。

そしてその次に生まれた詩が
「土の精」
土には精が宿る
触れる
土は生きている
ぬくもりがそっと応える
風が、光が、滴が
浸み込んでいく
自然の声を吸い込んで
豊かに柔らかく
四季を包み込む
土は生きている
そこに精が宿ってる

精神療法に、作業療法の一つとして創造や箱庭、絵画などの行動科学があるが、その中でも動物や土に触れ、遊ぶという体験による、言葉を超えたセラピーがある。中でも最も気軽に出来て、効果の高いものは、土に触れるである。
植栽のガーデニングや花木を育てることは、生命を育てることで、共に生きていく成長を目の当たりにし、芽を出し、花開き、種をつくり、実を結ぶ、そして枯れる。生命の一生がそこにある。生きている実感と共生がそこに在る。
精神分析家 蘇廻成輪