《心の遺伝子》徒然草-79

文明の進歩と科学の進化、発展は、人類に幸福をもたらしたかに見えたが、実は地球と人の心を破壊して来た、唯の野蛮で愚かな行為であることが、今証明されている。もう止まらない現代文明の行き着く先は見えている。それが早くなるか、先延ばしになるだけの違いで、結果は同じである。

結局人類は何を目指していたのだろう。人間の歴史は、独裁者や英雄や数々の偉人、芸術家、天才、科学者を産み出して来たが、鯔のつまり、破滅だったとは、聖者達はそれを恐れて宗教をおこし、人心を正道へと導こうと命がけで布教して来たのだ。が、しかしそれが徒労に終わるかもしれない。
最悪は最良の時だから、ここで人類を平和へと大転換させる聖者が出現するかもしれない予兆なのである。今はそれを希望に生きていくしかない。

人は己の無力を知った時、祈る。なす術を失った時、人は一発大逆転を狙って何かをしようとするが、真に為す術もない状況に至っては、人は神に対して手を合わせ、何故か祈る。
人には最初からDNAのように祈りの遺伝子が組み込まれているのかもしれない。ならば、ついでに人は平和と幸福になろうとする遺伝子が心の中に、無意識の底に書き込まれていることを祈らざるを得ない。
精神分析家 蘇廻成輪