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ブログ  精神分析家の徒然草 

《愚行》徒然草-61

男の夢は金と権力を握ってこの世を支配すること。そして女性を思いのままに従えること。これが男の野望であり、ロマンであり、且つ又 narcissism の極地である。

男の identity は自己愛に尽きる。その代表的な表象が金と権力と女なのである。それは、思い通りにならないこの世の対象のベストスリーである。これを操れる男は英雄であり、スーパースターであり、ゴット・ファーザーなのである。
人類最強の男の称号は、金と権力と女を手に入れたものにしか与えられない。それを手にしたい男の欲望が文明を発展させ、科学を進歩させ、戦争を拡大化した。

そして剰え地球を破壊してしまった。地球はもう戻れない所に来てしまっている。脱炭素化の小手先の政策は間に合わず、焼け石に水である。それもこれも皆、男の narcissism の野望が、それを招いたのである。



男は戦いで自らの力を誇示し、女は愛に自らの存在価値を置く。どうにも互いに相容れない別な生き物になってしまった。
金力、権力、暴力に自らの存在価値を置く限り、この世は経済力と政治力を是とし、愛は芸術の世界で表現される象徴的テーマと化してしまい、それは現実界の中核を成し、人類を幸福へと導く、先導者の資格を奪い取ってしまった。

唯の美を表現する一手段であり、形式であり、想像的にしか存在しないものとして二次元に閉じこめた。音楽やバレエ、小説にしても、視覚的世界を出ることはなく、それに手応えはなく、結局二次元である。

この世から愛の実践も物質化も悉く破壊された。戦争は芸術を破壊し、燃やした。人類遺産は、いつでも呆気なく戦争によって破壊される。それは歴史が証明している。



金と権力は力の誇示の手段であって、目的ではない。もしそれが目的なら、その二つながら人民の幸福のために使うだろう。

それが人間が本来持ち備わっている、神からの贈物だから。私利私欲のために、一人だけの仕合せのために神は人を創ったのではなく、何が神からのメッセージかを悟り、それがこの地上に創り出せるかどうか、神からの問いであり、人類に課したテーゼである。

それに対して人類はアンチテーゼを神に突きつけた、「否」我こそ神なりと。それが核とDNAの操作、そしてAIをつくり出したことである。

 

精神分析家 蘇廻成輪


 

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