《NEXT》徒然草-37

映画は映画館に行かずに家で観る。
その為に、些かなホームシアターをつくり、そこで、独りじっくり観る。観るのは決まっている。「ワイルドスピード」、「トランスポーター」、「ボーン・アイデンティティー」、「CSI:マイアミ、ロス、ニューヨーク」、「クリミナル・マインド」である。他、カーアクションものを観る。

華々しいカーアクションやアクションをみてるのではなく、いつも物語の最後に言う決め台詞の「俺たち家族だから」をきくのが好きだから、それをラストシーンで穏やかな仲間が集まって握手するのをみるのが好きだから、それらの作品をみる。
アクションの切れだけをみるのもあるが、それは体のシャープな動きもさる事ながら、彼らの判断力の速さと正確な動きをみせる肉体の切れである。それが爽快で小気味良く、頭がスッキリする。メントールのような涼しさがある。その最たるものは、ジェット・リーのアクションに尽きる。
体のシャープな動きは、畢竟マイケル・ジャクソンに尽きる。

私にはあの体のキレはないが、知性にあのシャープさを理想として、いつも分析と対峙している。今より明日はもっとシャープにと思っている。その前進性が失せ始めた時に、私はこれらの映画をランダムに手にして観る。そして、今より明日は少しでも成長した自分になると心に刻む。
何も語らないのに、観衆に伝えたい事が観る人総ての人に伝わる作品を作り続けたチャップリンにインタビューした。「あなたの最高傑作は?」に彼はこう答えた。「NEXT ONE」と言った。
私の生きるを支えている言葉は「NEXT」である。
精神分析家 蘇廻成輪
